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愛玩動物看護師が動きやすい病院は、記録が違う:診察内容の共有をカルテ任せにしない

2026年11月5日公開|執筆:保坂創史(獣医師・日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医Ⅰ種)

入院中の子の皮下点滴を頼まれた愛玩動物看護師さんが、処置の前にカルテを開く。書いてあるのは「皮下点滴継続」。この子の飼い主さんが何を心配していて、退院の目標がどこにあるのか、カルテからは読み取れない。それでも飼い主さんが面会に来れば、看護師さんが対応することになります。

チーム医療の質は、記録の共有度で決まる部分があります

愛玩動物看護師が国家資格になり、任せられる仕事の幅は広がりました。ただ、任せるためには前提があります。その症例の全体像——病状、方針、飼い主さんの意向——が共有されていることです。共有の手段が「口頭の申し送り」しかない病院では、忙しい日ほど申し送りが飛び、看護師さんは断片的な指示だけで動くことになります。

これは看護師さんにとって働きにくいだけでなく、獣医師にとっても損です。「どういう方針でしたっけ」と診療中に確認される回数が増え、結局、任せるより自分でやったほうが早い、という悪循環に入ります。

「処置の指示」と「文脈」の両方が残っているか

共有がうまくいっている病院のカルテには、処置の指示だけでなく文脈があります。「食欲は昨日の半分。飼い主さんは経鼻チューブに抵抗あり、まず流動食の強制給餌で様子を見る方針と説明済み」。この一段があると、看護師さんは指示の意図を理解して動けますし、面会時の飼い主さんとの会話も方針からブレません。

問題は、この文脈を書く時間です。獣医師が忙しいと、真っ先に削られるのがこの部分です。指示は書かないと処置が止まるので残りますが、文脈は書かなくても今日は回ってしまう。そして明日、誰かが困ります。

会話ベースの記録は、文脈がはじめから入っている

診察や飼い主さんとの面談を録音してカルテ化する運用の副次的な利点が、ここに出ます。方針の説明も飼い主さんの意向も、会話の中で実際に話されているので、生成される記録に文脈が最初から含まれています。獣医師が「文脈も書かなきゃ」と頑張る必要がなく、チームはいつでも同じ情報を見られる。カルテの時短の道具として入れたものが、実は申し送りの道具でもあった、というのは使ってみて気づく類の効果です。

VKA:診察の中身が、チームで読める形で残ります

当社の Vet Karte AI(VKA) は、診察中の会話の録音からSOAPカルテを自動生成します。飼い主さんへの説明内容や自宅での様子まで記録に残るので、診察に入っていないスタッフも経過と方針を追いやすくなります。録音音声は3日で自動削除・AIの学習には不使用。月30分まで無料です。

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保坂創史
執筆:保坂創史(獣医師)
プラシア合同会社 代表社員。南大沢どうぶつ病院・多摩八王子動物がんクリニック院長。日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医Ⅰ種。自院の診療で感じた課題をもとに、獣医師向けAIツール(VRA・VKA・VetsLogic・VetCall・VetLink)を開発しています。プロフィール詳細