獣医師が2人以上いる病院の院長先生と話すと、かなりの確率でこの悩みが出てきます。「カルテの書き方が人によって違いすぎる」。A先生のカルテは検査値も説明内容もびっしり残っているのに、B先生は要点のみ数行。どちらかが休みの日に代わりに診ると、前回の診察で何が話されたのか分からない。
ルールを作っても、ばらつきは残ります
多くの病院がまず試すのは記載ルールの整備です。SOAPで書く、検査値は必ず転記する、飼い主さんへの説明内容を残す。ルール化には意味がありますが、経験上、これだけではばらつきは残ります。ルールが守られる程度そのものが、その日の忙しさと個人の性格に左右されるからです。几帳面な先生は元からちゃんと書いていて、簡素な先生は忙しい日にルールから先に崩れます。
注意したいのは、簡素なカルテを書く先生が診療でも雑とは限らないことです。診察は丁寧なのに、記録に残す習慣だけが薄い。つまり失われているのは診療の質ではなく、診療の質の「証拠」です。もったいない話です。
記録の元を「人の記憶」から「共通の音源」に変える
ばらつきの根本は、カルテの元データが各自の記憶だという点にあります。記憶の何を書き起こすかは本人の裁量なので、裁量の数だけ書式が生まれます。ここで診察の録音を記録の元にすると、状況が変わります。会話という同じ種類の元データから、同じ形式(SOAP)で整理されたドラフトが出てくるので、誰の診察でも記録の密度と構造がおおむね揃います。
各獣医師の仕事は、生成されたドラフトを確認して、自分の臨床判断(A)を整えることに寄っていきます。個性が出るべき場所——評価と計画——には個性が残り、揃うべき場所——事実の記録——は揃う。分業としても筋がいいと感じています。
導入は「全員一斉」でなくていい
院内に道具の得手不得手はあるので、最初は新しい物好きの先生1人から始めるのが現実的です。その先生のカルテが安定して読みやすくなると、他の先生が自分から興味を持ちます。院長号令のトップダウンより、実物を見せるほうが早い。これはどの道具の導入でも同じだと思います。
VKA:誰の診察でも、記録の密度が揃います
当社の Vet Karte AI(VKA) は、診察中の会話を録音してSOAP形式のカルテを自動生成します。生成の元が「実際の会話」なので、書き手による記録の粗密が生まれにくく、病院としてのカルテの標準化に使えます。録音音声は3日で自動削除・AIの学習には不使用。月30分まで無料です。
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