避妊手術の退院時、エリザベスカラーの扱い、抗生剤の飲ませ方、傷のチェックポイント、抜糸の日程を5分で説明して送り出す。その夜、電話が鳴ります。「薬って今日から飲ませるんでしたっけ」。説明したはずのことが、家に着くまでに揮発しています。
退院時の説明は、一番忘れられやすい説明です
退院の場面の飼い主さんは、久しぶりに会えた我が子に気を取られています。会計や迎えの車の段取りも頭にある。診察室での説明よりさらに聞いていない、と考えたほうが実態に近いはずです。しかも術後管理は、投薬・安静・食事・傷の観察と項目が多く、口頭で正確に持ち帰れる量を超えています。
持ち帰れなかった説明は、夜の電話・自己流の対応・防げたはずの再来院になって返ってきます。舐め壊しや薬の飲ませ忘れの何割かは、飼い主さんの不注意ではなく、説明が紙になっていなかったことの結果です。
退院指示書に入れる項目
ここも凝る必要はなく、A4一枚で足ります。
- 今日行った処置の平易なまとめ(1〜3行)
- お薬:名前・いつ・何回・いつまで。「ごはんに混ぜてよいか」まで書くと電話が1本減ります
- 生活の制限:散歩・シャンプー・カラーの期間を日付で。「しばらく安静」ではなく「11月20日まで」
- 観察ポイントと連絡の目安:「傷が赤く腫れる・汁が出る・元気食欲が半日以上ない場合はご連絡ください」
- 次回の予定:抜糸日・再診日
特に効くのは連絡の目安です。「何かあったら連絡して」だと、飼い主さんは「これは連絡していいレベルか」で夜に悩みます。目安が紙に書いてあると、連絡は必要なものに絞られ、飼い主さんの不安も軽くなります。
オペ日の夕方に書けるかどうかが分かれ目
指示書の価値を分かっていても、オペが3件入った日の夕方に3枚書き上げるのは大変です。定型部分(術式ごとの標準的な指示)をテンプレートやAIドラフトで先に作っておき、その子の個別事項——「左後肢は触られるのを嫌がるので投薬は工夫を」——だけ足す形にすると、退院ラッシュでも運用が保てます。文書は、続けられる形にして初めて文化になります。
VRA:退院時の説明文書もドラフト化できます
当社の Vet Record AI(VRA) は、手術や入院の経過メモから、飼い主さん向けのやさしい文章で説明文書のドラフトを作成できます(文章スタイル「やさしい説明型」)。退院ラッシュの日でも、確認と個別事項の追記だけで指示書が用意できます。無料プラン(月5症例まで)あり。
VRAを見てみる →